クラウドファンディングサイトINDIEGOGOで一躍有名になった「GPD WIN」シリーズ。実は今、同じようにWindows搭載のポータブルゲーム機が登場しようとしています。
しかもCPUにあのRyzenを採用しているというから驚きです。今回はまるでPS Vitaのような外観を持つ「SMACH Z」について詳しく見ていきたいと思います。
PSVitaライクなのにWindows!しかもRyzenな「SMACH Z」
実はこのPSVitaライクなポータブルゲーム機「SMACH Z」が発表されたのは、2016年10月。クラウドファンディングサイトKickstarterに登場し、その後何度かの出荷延期を経て、2018年9月に正式出荷されることが決まったそうです。
出荷が遅れた原因は様々なですが、SoC(System-on-a-chip=組み込みチップセット、CPU)の問題があったようですね。今回はそれをクリアし、なんとAMD社の「Ryzen V1605B」を採用することが決定したそうです。
では実際に「SMACH Z」の概要を整理してみましょう。
SMACH Z
- OS:SMACH OS(Linuxベースの専用OS)
- SoC:Ryzen V1605B
- メモリ:4GB(DDR4 2133MHz)
- ストレージ:SSD 64GB
SMACH Z PRO
- OS:Windows 10 Home
- SoC:Ryzen V1605B
- メモリ:8GB(DDR4 2133MHz)
- ストレージ:SSD 128GB
PRO版に至っては、もはや通常のゲーミングPCに似たようなスペックを誇っていて、驚きです。
Ryzen V1605BとはどんなCPUなのか?
ここで気になるのが、SoCとして採用されている「Ryzen V1605B」のスペックではないでしょうか。一般に流通しているCPUではないため、AMDファンでも名を知らない方が多いと思います。
Ryzen V1605Bのスペックを簡単に整理すると、以下の通りです。
Ryzen V1605B
- 4コア8スレッド
- 2GHz~3.6GHz動作
- Radeon Vega 8 Graphics内蔵(シェーダー数512基、1,100MHz動作)
- 4MB L3キャッシュ
- TDP15W
このスペックを見てわかる通り、Ryzen V1605BはCPUというよりもAPUです。Ryzen Gシリーズと同じようにZenアーキテクチャ+Vegaアーキテクチャを持っています。ポータブルゲーム機のSoCとしては十分すぎる性能を発揮しそうですね。
Steam対応ポータブルゲーム機の最終形態か?
このようにSMACH Zは、小型ゲーミングPCの性能をポータブルゲーム機化したような製品です。Steamのゲームを心行くまで遊べるポータブルゲーム機としては、ほぼ最終形態に差し掛かっているといって良いでしょう。
実際、低解像度であればGTA5やダークソール3が30FPS~60FPSで遊べますし、League of legendsは高解像度でも60fps近くに達します。ゲーミングPCファンなら、小型で手軽なサブ機として、試してみたいところですね。