CPUの性能を調べていると「○○nmプロセス」という言葉を見かけると思います。この「nmプロセス」とは一体何なのでしょうか。
実はCPUの性能に関係が深い仕組みなのです。今回はプロセスルールについて説明します。
「nmプロセスってなに?」プロセスルールを知ろう
「nmプロセス」とは、CPUを製造するときのプロセスルールを表す単位です。読み方は「ナノメートルプロセス」で、1ナノメートルは10億分の1メートル(100万分の1ミリ)となります。
想像もつかないくらい細かい単位ですよね。ではプロセスルールとは何を表すのでしょうか。
簡単に言うとプロセスールとは「CPUを作るときの製造過程の細かさ」になります。もう少し具体的に言うと、「半導体の回路を作るときの配線の幅」です。
プロセスルールが小さくなれば、より多くの処理単位を半導体に組み込むことができます。紙に文字を書くとき、文字自体を小さくしていくと字数が稼げますよね。イメージ的にはこれと同じことです。
CPUは、このプロセスルールが小さいほど処理性能や省電力性、低発熱性を高めやすいのです。
現在(2017年)の主流は?
「CPUの選び方」でも紹介している2017年時点の主流は「14nmプロセス」となります。IntelやAMDの主要CPUは、全て14nmプロセスです。2008年あたりは45nmプロセス程度だったことを考えると、単純に3倍も微細化しています。
しかし最近ではこの「微細化」がやや頭打ちになってしまっており、CPUの性能があまり伸びていません。プロセスルールは10nm以下になると技術的な難易度が跳ね上がるため、この14nmが「壁」となっているのです。
次に微細が進んだ時には「7nmプロセス」になると考えられており、これを達成できれば半導体の面積が4分の1になると言われています。
つまり、現在と同じサイズのCPUであれば、単純に4倍の処理単位を組み込めるということ。7nmプロセスが本格化すれば、PCやスマートフォンの性能はまた一気に跳ね上がるでしょう。
10nmプロセス以下への道のりは遠い
IBMでは、既に7nmプロセスや5nmプロセスのトランジスタを開発しています。しかしこれが実用化されるまでには、まだまだ年月が必要なようです。
これまで2年から3年おきにプロセスルールが更新されてきたことを考えると、やはり14nmプロセスでCPUの性能アップはひと段落なのかもしれませんね。
しかしマルチコア化が進んだことで、未だに性能はじりじりと向上しています。CPUは当面の間、コアの数が増える方向へと進化していきそうです。