オーバークロックとは、CPUやメモリの周波数を上げ、定格動作よりも高い性能を引き出すことを言います。PCに詳しい人以外は、あまり馴染みがない方法といえるでしょう。
オーバークロックの具体的なやり方と、メリット・デメリットなどを紹介していきます。
CPUオーバークロックの具体的なやり方
まず、CPUをオーバークロックするときの具体的な方法を解説します。オーバークロックは、大きく「BIOSから設定を変える」方法と、「専用のソフトウェアから設定を変える」方法の2通りがあります。
BIOSからオーバークロックする場合
BIOSの設定を変更する場合は、主に「FSB」と「倍率」を変更していきます。CPUの動作周波数はFSB(ベースとなるクロック数)×動作倍率で決定され、FSBが100MHzのCPUを30倍で動作させれば3GHzといった具合になります。
マザーボードメーカーや搭載されているBIOSの種類によって設定できる項目は異なります。一昔前は倍率変更が不可能なCPUが多かったため、FSBの設定を変えていたのですが、最近のCPUは柔軟に倍率変更が可能になっています。
そこで「コア倍率(Multipliers)」という項目の数字をあげていくことで、オーバークロックが可能です。前述の例であれば100MHz×30倍の動作が可能なCPUを、100MHz×32倍にして3GHzから3.2GHzにオーバークロックするというイメージになります。
専用ソフトウェア上からオーバークロックする場合
オーバークロック対応のマザーボードには、オーバークロック用のソフトウェアが付属していることがあり、OS上からオーバークロックが可能です。
BIOSやUEFIを使った設定よりも扱いやすく、初心者向きと言えるでしょう。またインテルでは公式のチューニング(オーバークロック)ツールとして、「Extreme Tuning Utility」をリリースしています。インテルのサイトから無料でダウンロードできますよ。
オーバークロックのメリット
オーバークロックのメリットは、何といってもパーツ交換や増設なしに性能をアップできることです。オーバークロック耐性の高いCPUの場合、定格2GHzでありながら、3GHz以上にオーバークロックできることもあります。
当然のことながら挙動のキビキビ感が増し、ゲームプレイ時や動画編集時の重さが解消される可能性が高くなるのです。
また、お金の面でもメリットがあります。わざと低価格のCPUを購入し、それをオーバークロックして高価格帯のCPU同等の性能を発揮させれば、そのぶんだけコストが浮くわけです。
オーバークロックのデメリット
定格以上の動作で使い続けた結果、動作が不安定になったり、突然PCがシャットダウンしてしまったりというリスクがあります。オーバークロックはあくまでも「自己責任」であり、アクシデントが起こった場合は保証を受けられないことを理解しておきましょう。
また、オーバークロッによってCPUの温度が高くなり、熱暴走を起こす可能性も高まる上に、パーツ自体の寿命も縮めると言われています。
メリットの反面、こういったリスクもあることを承知の上で楽しむのがオーバークロックです。最近では標準仕様で1割程度の自動オーバークロックを行うCPUも増えてきていますので、まずは試しに10%以下のオーバークロックから初めてみてはいかがでしょうか。