HT(ハイパースレッディング)登場した当初は「PCの常識を変える」とまで言われた技術でした。
今やHT(ハイパースレッディング)搭載のCPUは当たり前のように存在しています。Core i3 やi7なんかがその例ですよね。
しかし、実際にHTがどんな技術なのか知っている人は少ないのではないでしょうか。
HTって一体どんな技術なの?
HTは正確にはCPU全体の技術名というよりも、Intel社のCPUに搭載されている機能の名前といったほうが正しいでしょう。
一般的な技術名称を言うならば、おそらく「ハードウェアマルチスレッディング技術(SMT)」が正式な呼び名になると思います。
要は、一つのデバイスに2つ以上の処理をやらせようというお話です。
CPUはある処理を行うとき、CPUのコア全体を使ってフル活動しているわけではありません。必ずと言って良いほど、どこかに余力を残しています。
この余力を使って、別の処理も行おうというのがHTの考え方です。Intel製のCPUではHTが搭載されていると、1コアあたり2つの処理が可能になると考えてください。
ただし、1つ目の処理と2つ目の処理が同じスピードで進むわけではなく、余力を使って処理される2つ目のスピードは、やや遅くなります。
そのため、物理的に2つのコアを使う場合と1コア&HTで2つの処理を行う場合とでは、前者のほうがパフォーマンスが上になりがちです。
それでもPCのタスクマネージャー上ではHTは論理的なコアと見なされているため、4コア8スレッドの場合、8つのCPUが存在しているような表示になっています。
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現在のCPUでの使われ方は?
Intel製のCPUでは、ハイエンドモデルとエントリークラスのCPUにHTが導入されています。HTを導入するとCPUのコアが余すことなく使われ、発熱や消費電力が大きくなります。
そのため、発熱や消費電力をあまり気にしない層が購入するハイエンドモデルか、多少の発熱や消費電力を犠牲にしても性能の底上げが必要なエントリークラスモデルに使用されることが多いようです。
最近では Pentium Dual CoreシリーズがHT化されたことで話題になりました。2コアモデルでしたので、HTが導入された恩恵はかなり大きいといえるでしょう。
マルチコア化が進む中でさらに存在感を増すHT
既に時代は4コアが当たり前になり、6コアや8コア、12コアや16コアという製品すら登場しています。コアの数が多くなるごとにHTの恩恵は大きくなると考えられ、今後存在感を増していくでしょう。
物理16コアならHT化で32スレッドですからね。タスクマネージャーが凄いことになりそうです。複数作業を同時並行することが多いなら、HT搭載モデルがおすすめですよ。