2017年はIntelとAMDの間で新CPUのリリース合戦が激化し、近年にない盛り上がりがありました。
そこでRyzenから第8世代Coreシリーズまで、2017年のCPU市場をおさらいしながら、2018年を考えてみたいと思います。
2017年のCPU市場をダイジェストで振り返る
「CPUの選び方」でも紹介したように2017年のCPU市場は、1月にIntelが「第7世代Coreシリーズ」を市場投入したことから幕を開けました。
現在主流となっているCore iの7000番台ですね。コードネームはkaby lakeで、第6世代のSky lakeに比べ省電力化が進んだことや、内蔵GPUの4K対応が話題になりました。
この時点でIntel製CPUは市場をほぼ独占しており、2017年も例年通りIntelが市場を引っ張っていくのだなと感じた方も多いでしょう。
しかし3月になり、AMDが投入した「Ryzenシリーズ」が一気に市場をかき乱します。以前からZenアーキテクチャを採用したRyzenシリーズは話題になっていたものの、その性能の高さやコストパフォーマンスまでは予想されていなかったからです。
久々にIntel製CPUとガチで正面から勝負できるCPUが登場したのは本当に驚きでした。
特にフラッグシップモデルである「Ryzen 7 1800X」が8コア16スレッドで第7世代Coreシリーズを追い抜き、ゲームや動画編集の分野でIntelの牙城を脅かしたことは歴史に残る事実といえそうです。
メニーコア化が進み超ハイエンド市場での戦いが勃発
メインストリーム向けCPUでRyzen対Core iシリーズという構図が出来上がっていく一方、5月からは超ハイエンドPC向けCPUも盛り上がりを見せます。
Intelが5月に市場投入した「Core-Xシリーズ」は完全にRyzenを意識する形のメニーコアCPUとなり、「Core i9-7980XE」で18コア36スレッドを達成。
一方、AMDも8月にRyzenの上位版である「Ryzen Threadripper」を市場投入し、「Ryzen Threadripper 1950X」で16コア32スレッドまで性能を高めています。
また、AMDはミドルレンジ市場でも「Ryzen 5シリーズ」で存在感を示し、ミドルレンジから超ハイエンドまでIntelとAMDの激しいシェア獲得競争が繰り広げられたといえます。
2018年のCPU市場は2月がポイントか?
2017年11月にIntelがメインストリーム向けCPUとしてリリースした「第8世代Coreシリーズ」は、第7世代からの正当進化によってメニーコア化が進んでいます。
また、超ハイエンドCPUとは異なり、内蔵グラフィックもあることから、通常用途やゲーミングPCのCPUとしてはAMDを再びリードした形と言えるかもしれません。
しかしAMDもZENアーキテクチャをさらに進化させた「ZEN+アーキテクチャ」を採用したCPUを2018年2月にリリース予定です。
コードネームは「Pinnacle Ridge」で、現状のRyzen7の進化版に相当するコードネーム「Pinnacle 7」が最初に登場するといわれています。
Pinnacle Ridgeは、現状の14nmより微細化が進んだ12nmLPというプロセスルールで製造されるとのことで、省電力化や高性能化が期待されています。
つまり、引き続きAMDとIntelのCPU戦争は続くと考えて良いでしょう。その最初の火花が散るのは、2018年2月になるのかもしれませんね。