CPUのコア数は、一体どこまで伸びる続けるのでしょうか。2017年を境に、一気にCPUの物理コア数が増えましたが、その火付け役となったのは言わずと知れたAMDの「Ryzen」です。
Ryzenには、ハイエンド環境専用のCPUとして「Ryzen Threadripper(16コア、32スレッド)」が存在しますが、ついにこれが第2世代へと進化します。
今回はその驚愕のスペックを解説します。
物理32コア!モンスターCPU「第2世代Ryzen Threadripper」
たった2、3年前まで物理6コアが最高性能だったCPUが、ついに物理32コアまで進化しました。
AMDが発表した「第2世代Ryzen Threadripper」は、なんと物理32コア、64スレッドという驚異的なスペックを誇ります。また、その実現方法もこれまでのCPUとは一線を画しています。
通常、CPUはひとつの基板上にひとつのダイが設置されますが、「第2世代Ryzen Threadripper」は大型の基盤に4つのダイを設置。
ひとつのダイが8コア16スレッドですから、それを合計4つで32コア64スレッドを実現しているわけですね。
そのためか、外見は2つ~4つのCPUを合体させたような雰囲気を醸し出しています。
私も自作PCを趣味として10年以上になり、様々なCPUを見てきましたが、このように巨大で異質はCPUは初めてお目にかかります。
初代と同じX399チップセットで動作
どうやらこの「第2世代Ryzen Threadripper」は、初代Ryzen Threadripperと同じ12nmで製造されているとのこと。
さらに、X399チップセット搭載マザーボードで動作するようです。つまり、初代Ryzen Threadripperを使用していれば、マザーボードの買い替え無しでアップグレードが可能になります。ただし、BIOSアップデートは必要です。
おそらく、各マザーボードメーカーが対応するはずですから、アップグレードはそれほど難しくないでしょう。
MSIから早くも対応マザーボードが登場
大手マザーボードメーカーの一角であるMSIは、早くも第2世代Ryzen Threadripper対応のマザーボードをリリースしました。
これはCOMPUTEX TAIPEI 2018で発表された「MEG X399 CREATION」という製品です。このマザーボードはなんておVRMフェーズ数(電源回路フェーズ数)が19という豪華仕様。
通常のゲーミングPC向けマザーボードでは8フェーズ前後ですから、非常に重厚な回路設計であることがわかります。
おそらく32コアを支えるために万全を期した形なのでしょう。価格などは夏以降に公開とのことですが、ハイエンドマシンの頂点を目指すゲーマーにとっては要注目のニュースですね。
正直なところ、32コア64スレッドが必要なゲームがあるのかと言われれば、答えはNOかもしれません。
しかし、重量級の3Dゲーム以外にも動画編集や実況配信、ボイスチャットなどを平行して行うなら、これほど心強いCPUはないでしょう。
また、ライバル企業であるインテルがどう出てくるかも気になりますね。インテルとAMDのメニーコアCPU戦争は、今後もまだまだ続きそうです。