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TDP=消費電力ではない!誤解しがちな電力の話

CPUやグラフィックボードのスペック表に、必ず記載されている数字「TDP」。このTDPがなぜか「消費電力」として使われている記事をよく見かけます…。

念のため記載しておくと、TDPと消費電力は全くの別物。ではTDPとは一体何なのでしょうか。

TDP=電力ではない!発熱量を表す単位

TDPは正式には「Thermal Design Power」であり、単語の頭文字をとってTDPと省略されています。日本語でいうと「熱設計電力」ですね。

熱設計電力というからには、電力量がわかるのだろうと思いがちですが、実はこれ「最大発熱量」を表しています。

電力が消費されると、そのエネルギーは熱になるため、消費後の熱量から大まかな消費電力を推測はできますが、消費電力そのものを表すものではありません。

また、TDPで表される熱量は、最大消費電力時の熱量なため、平均どれくらいの電力が必要かという計算もほぼ不可能です。

何故なら、PCパーツは常に最大消費電力で動作するわけではなく、アイドル状態は中程度の負荷状態が最も長いからです。

では実際の消費電力はどう調べるのか?

あくまでもTDP=最大消費電力と仮定して、それに収まるように電源なりパーツなりを選ぶ、という程度の使い方でも大きな問題にはならないことが多いです。

しかし実際の最大消費電力はTDPよりも大きくなります。なぜなら消費された電力が全て熱になるわけではないからです。

つまり、TDPから最大消費電力を憶測するときは、TDPに1.3から1.5をかけた数字を想定したほうが無難です。TDPが100Wなら、最大消費電力は130Wか150Wですね。

最大消費電力が想定できれば、電源選びなどに役立ちます。CPUはグラフィックボードに電力を供給する+12V系統の最大出力や、PC電源自体の容量を計算できるからです。

他にも、実際にワットチェッカーなどで消費電力を調べる方法があります。しかし、CPUやグラフィックボードなど、単一のPCパーツの消費電力を正確に計測するのは初心者には難しいかもしれません。

ゲーミングPCならTDP×1.5で最大消費電力を想定しよう

ゲーミングPCは一般のPCに比べて高い負荷が想定されますので、TDPに1.5をかけた数字を最大消費電力として認識しておくと良さそうです。

例えばGTX1060ならTDP120Wですが、最大消費電力は180Wくらいを想定しておきましょう。ここから逆算していくと、+12V系統が30Aで電源自体の容量が500W以上…など、電源選びに具体性が出てきます。

消費電力と混同されがちなTDPですが、あくまでも発熱量であり、直接消費電力を表すものではないことを覚えておいてください。