GPU(グラフィックボード)がやや値上がり傾向です。特にGTX1050tiやGTX1060あたりのミドルレンジ層は、発売から1年以上経過いるにもかかわらず、値下がりしません。
その理由は、ゲーミングPCの人気!と言いたいところなのですが、全く別の分野が関係しているようです。実は、近年何かと世間を騒がせている「ビットコイン」「暗号通貨」がGPU市場を引っ張っているのです。
「暗号通貨マイニング需要」で値下がりしないGPU
暗号通貨マイニングという言葉をご存じでしょうか?暗号通貨の代表格「ビットコイン」くらいは聞いたことがありますよね。
ビットコインを始めとしたいくつかの暗号通貨には「ブロックチェーン」という仕組みが採用されています。このブロックチェーンの特性から、個人でも暗号通貨をマイニング(採掘)できるのです。
そして暗号通貨の採掘に使われるのがGPUの演算システム。最近では暗号通貨マイニング用に、グラフィックボードを何枚も並べた「マイニングマシーン」が注目されており、その影響でグラフィックボードがどんどん買われています。
得に買われているグラボは?
暗号通貨のマイニングを行う人々を「マイナー」と呼びますが、このマイナーから絶大な支持を集めているのがAMDの「RX500シリーズ」。
具体的にはRadeon RX 570や580ですね。GPUは価格性能比でいうとややnvidiaが有利ですが、何故かマイニング市場ではAMDのグラボが大人気です。
これは、AMDのRadeonシリーズのほうが、マイニングにおける効率が高いことが理由からです。例えばGTX1070の1枚運用もり、RX470の2枚刺しが有利という結果が出ています。
AMDのRadeonシリーズは、ゲーム分野ではnvidiaに押され気味な印象なんですが、暗号通貨マイニング市場では圧倒的な人気を誇っているのです。
Radeonシリーズがゲームプレイ時の性能のわりには、あまり安くならない理由が、ここにあるといえます。
将来的に中古が一気に放出される可能性も
暗号通貨マイニングには、AMDのRadeonのみならず、GTX1060やGTX1080といったグラボも大量に使われています。これらは日々ブロックチェーンの暗号を解読し、「当たり」を引いて通貨を獲得すべき稼働しているわけです。
しかし、いずれもっと効率の良いGPUやマイニング方法が確立されたとき、これらのグラボは一気に中古として放出される可能性があります。
大規模な暗号通貨マイナーほど、できるだけ資産価値のあるうちにグラボを放出すると考えられるので、そう遠くない未来に起こると私は考えています。
その時に今のハイエンドGPU達が一体いくらの値段になるのか…
こう考えると、中古パーツで格安のゲーミングPCを作るチャンスは、暗号通貨マイニングと密接に関係しているのかもしれません。