ゲーミングPCにおいて、さまざまな処理の高速化はグラフィック性能の向上と同じくらい重要な項目。メモリを積んだりCPUの性能を上げることは処理の高速化に直結するため、多くのユーザーはCPU、メモリに投資しがちなのですが、実はこの2点よりも重要なパーツがあります。それがSSDです。
SSDの書き込み速度は、SSDの種類にもよりますが最高グレードのNVMe接続SSDであればHDDの最大20倍です。2万円以内で入手できる安価なSSDでも、HDDとの速度差は比べ物になりません。そのため、いくら高性能なパーツでもデータを読み書きするのがHDDでは、その性能を十全に発揮するのは非常に難しいと言っていいでしょう。中途半端にCPUやメモリにコストをかけるくらいなら、余裕のある容量のSSDを購入する資金に充てるべきです。
とは言え、「SSDとHDDの選び方」でも説明したように、ドライブの全てをSSDにしようとすると非常にコストがかかってしまいますので、あまり現実的ではありません。そこで、SSDドライブの容量は必要最低限どの程度あればいいのか?筆者の経験談を交えてご紹介します。
SSD+HDDのデュアルドライブが人気
現在、ゲーマー間ではSSD+HDDのデュアルドライブ構成が人気のようです。筆者は、音楽、動画などの頻繁に読み書きしないデータは大容量のHDDへ、ゲームクライアントやOSなどの読み書きの多いデータはSATA 6Gb/sのSSD、といった使い分けをしています。
ユーザーによってSSDに何を保存するかは異なりますが、この「どういったデータをSSDに保存するか」というのは、SSD容量を決めるううえでの重要な指標になります。
SSDは最低240GBは必要
筆者は数年前、180GBのSSD+1TBのHDDという構成でしたが、ゲームクライアントをいくつか保存する場合、SSDは120~180GBではまず足りないと考えて良いでしょう。SteamフォルダをSSDに保存していたのもあり、結局一年足らずで512GBを新たに増設することになりました。
このように10GB~30GB前後を必要とするクライアントを複数保存したいと考えると、240GBは必要といえます。特にSteamユーザーの場合、多くのタイトルが格納されたフォルダをSSDに保存することを考えると、最低500GBは欲しくなります。
低価格化によってSSDは入手しやすく
近年では、SSDは非常に導入しやすいものになりました。SATA接続で525GBのものであれば、2万円も払えばお釣りがくる程度まで価格は落ち着いています。参考までに、2012年までのSSDの価格は1GBあたり50~100円、HDDは3.0~15円だったのに対し、2016年頃のSSDの1GBあたりの価格は27~70円、HDDは2.6~10円と、SSDの価格は約半額程度にまで下降しています。
つまり、SSDに高いコストを支払わなくてよくなった分、大容量SSDを気軽に搭載できる環境が整いつつあります。PCゲーマーは、妥協しないSSD選びを心がけていきたいですね。