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高速化とエアーフロー改善に効果あり!PCI接続の「NVMe SSD」

SSDの性能を飛躍的にあげる超小型のストレージ「M.2 SSD」が話題となっています。しかし、発熱や冷却の難しさなどがネックになりがちで、一般的に浸透するまでには時間がかかるでしょう。

そこで今回はPCI接続の次世代SSD「NVMe SSD」を紹介します。

そもそもNVMeとは?

NVMeは、「Non-Volatile Memory Express」の略称であり、PCI-Expressを使ったストレージ規格の名称です。これまでストレージ接続の規格としては「SATA」が主流となっていましたが、SATAの転送速度がネックとなってSSDの性能を存分に活かしきれていませんでした。

そこでPCIスロットやM.2スロットを使った次世代インターフェースが開発され、より高速なデータ転送を実現しようということになったのです。これがNVMeで、物理的な接続方式としては、専用スロットの「M.2」を使ったタイプと、PCIスロットを使ったものがあります。

NVMe M.2 SSDについては「SSDとHDDの選び方」や「SSDの速度をさらに限界突破!M.2 SSD」で解説しています。

M.2スロット接続の問題点

冒頭でも述べたように、M.2接続のNVMe SSDは非常に小型である一方、マザーボードと並行かつグラフィックボードの陰に隠れてしまうような独特の配置になることがあり、熱処理が難しいという側面があります。

しかも温度が上がり続けると性能が低下してしまうのです。これは熱暴走を防ぐための「サーマルスロットリング」という仕組みのせいなのですが、早い話が自分で自分の性能を抑制してしまうわけですね。

また、非常に小さいので冷却ファンの設置が難しく、PCケース内全体の温度を上げる原因にもなってしまいがちです。

こういったM.2接続時のデメリットを克服する方法として、PCIカードタイプのNVMe SSDがあります。

PCIカードタイプのメリット

PCIカードタイプのNVMe SSDであれば、従来のPCIスロットにカードを増設する感覚になります。

M.2接続に比べると熱処理がしやすいことがメリットといえるでしょう。M.2接続方式も、内部的にはPCIカードタイプと同じ「PCI Express」方式なので仕組みとしては同じなのですが、物理的な設置方法が異なるわけですね。

具体的な製品をあげると、PLEXTORが発売している「M8Pe PX-512M8PeY」はPCIスロットに差し込むタイプ、「M8Pe PX-512M8PeG」はM.2接続のタイプです。内部的なインターフェースはどちらも「PCI Express」方式となります。

マザーボードに平行となるよう設置してネジ止めするか、PCIスロットに差し込むかという違いです。現状のPCケースやファンのラインナップから考えるとPCIスロットに差し込んだほうが安心のような気がします。サーマルスロットリングが発生しにくいので、性能も安定しますしね。

また、ストレージをPCIスロットに持ってくることでドライブベイを外し、ケース全面から空気を取り込みやすくなり、エアーフローも改善できます。ただし、販売されている製品はM.2接続のほうが多いというデメリットもあります。

予算やPCケースの構造と相談しながら、高速化対策を進めることが必要になるでしょうね。ちなみに「kryoM.2」のように、M.2をPCIに変換するアダプタなんかもありますよ!