2017年現在、モニターやグラフィックボードの接続方式はHDMIかDisplayportが主流となりつつあります。
D-subやDVIもまだまだ健在ですが、今後高画素数&高精細が当たり前になると、どちらかをメインで使うことになるでしょう。
ところでこの2つの規格、どういった違いがあるかご存じですか?今回はHDMIとDisplayportの違いについて解説します。
設計上はDisplayportのほうが高性能
まずHDMIとDisplayportには、設計上の決定的な違いがあります。HDMIはTDMSというデータ伝送方式を採用していて、簡単に言うとデータが来た順番から順次伝送する仕組みです。
これはD-subに近い方式なのですが、HDMIではデータの伝送チャンネルを増やし、より多くのデータを同時に送れるようになっています。
一方、Displayportではデータ伝送方式に「パケット方式」を採用しています。大量のデータをパケット(小包)に分割して送り、より多くのデータを送信できるよう工夫されているのです。
この2つを比較すると、理論上はDisplayportのほうが大量のデータを送信できます。そもそもパケット方式は大容量のデータを圧縮、分割して伝送することが得意ですから。
HDMIとDisplayportに互換性はあるのか?
結論からいうと、HDMIとDisplayportの間には技術的な互換性はありません。しかし、ちょっと調べるとHDMIとDisplayport両方に対応した変換ケーブルが販売されていることに気が付きます。
これは、先に普及が進んだHDMI側にDisplayportを合わせている製品と考えて良いでしょう。もう少し具体的にいうと「デュアルモード」です。
Displayportにはシングルモードとデュアルモードがあり、デュアルモードに対応した変換ケーブルはHDMI端子としても機能します。これをパッシブケーブルと呼んでいます。
ちなみに、モニター側のDisplayport端子は、シングルモードなのでHDMIには対応していません。デュアルモード端子が搭載されているモニターは、おそらく存在しないのではないでしょうか。
つまり、モニター側の端子に合わせて調整していく必要があるのです。「ゲーミングディスプレイ(液晶モニター)の選び方」や「グラフィックボードの選び方」にも関わってきます。
Displayportは今後普及するか?
正直なところ、2017年時点では相変わらずD-sub、DVI、HDMIが主流です。Displayportが最も高性能なのですが、いまいち普及していません。
価格が高いことや安定性に欠けることがその理由です。しかし4Kや高精細4Kが当たり前になれば、Displayportは一気に普及する可能性を秘めています。
また、VRの普及もDisplayportを後押ししそうですね。伝送するデータ量が多くなればなるほど、Displayportの出番は増えていくと考えられます。
とはいえ、2~3年はHDMIがメインに居座り続けるでしょうから、変換ケーブルは用意しておいたほうが良さそうです。