ゲーミングPCをBTOショップで注文するとき、標準状態のスペックにいまいち物足りなさを感じることがありますよね。しかし予算の関係上、どうしても上のグレードには手が届かないとしたら、カスタマイズで補強していくしかありません。
仮に「1万円」の予算でカスタマイズをする場合、どのパーツに投資すべきなのでしょうか。今回はBTOパソコンのカスタマイズについて解説します。
予算1万円のカスタマイズ候補
まず予算を1万円とした場合のカスタマイズ候補を挙げてみます。BTOショップによってカスタマイズ可能なポイントは異なるものの、おおむね以下のようになるでしょう。
OS | (例:Windows10 homeからproへ)6000円程度 |
CPU | 1グレードアップにつき5000円~1万円程度 |
GPU | ミドルレンジクラスなら1万円程度でカスタマイズ可能 |
電源 | 450W⇒550W~800Wで約1万円 |
メモリ | 8GB⇒16GBで約13000円 |
ストレージ | SSDなし、もしくは240GBSSD⇒500GB SSDで約1万円 |
光学ドライブ | DVDマルチ⇒Blu-rayドライブで9000円~1万円 |
この中でまず除外されるのがOSです。ゲーミングPCならばWindows10 home⇒proへのアップグレードにあまり意味はありません。
次に除外されるのが光学ドライブでしょう。HTPCとして使用するならわかりますが、ゲーミングPCにBlu-rayドライブが必須とは言えませんからね。
残りはCPU、GPU、メモリ、電源、ストレージになるわけですが、この中のどれに1万円かけるかはケースバイケースです。
長期目線なら電源
私個人の意見としては、3年以上の長期目線なら「電源」に、投資すべきだと思います。電源で1万円の価格差があると、グレードや質がかなり変わるからです。
例えば容量的には450W⇒550Wだったとしても、80PLUS認証のグレードが大幅に上がります。80PLUS BRONZEとPLATINUMでは電気変換効率に7%~8%の差が出てきます。
また、同グレードで容量をアップさせたい場合は、450W⇒750~800Wクラスまで増やせるため、将来的にハイエンドGPUを増設するときでも不安がありません。
実際にドスパラのゲーミングPC「ガレリア RH5」を例に電源のカスタマイズを見てみると、次のようになります。
- 標準構成:DELTA 450W静音電源 80PLUS BRONZE認証
- プラス10400円でオウルテック 550W静音電源 80PLUS PLATINUMへアップグレード
- プラス9800円でEnhance 800W静音電源 80PLUS GOLDへアップグレード
このように電源に1万円投下すると、質や容量が格段に向上するわけです。「パソコン初心者がおさえておきたい電源ユニット選びのコツ」で解説したように電源は優先したいパーツです。
CPU・メモリ・ストレージは状況に応じて
CPUがきめ細かにカスタマイズ可能ならば良いのですが、BTOパソコンの多くはCPUのグレードが決まっています。また、メモリは最近高騰しており、1万円のカスタマイズでは8GB⇒16GBにできないことが多いでしょう。
となると、残るはストレージになります。ストレージはSSDの容量を増やしておいたほうが無難です。ゲームクライアントのサイズが年々巨大化している今、ゲームをインストールするSSDにも容量が求められているからです。
「SSDとHDDの選び方」でもおすすめしたように最低でも240GB、できれば500GB以上を目安にカスタマイズしていきましょう。もちろん、CPUやメモリも可能であればカスタマイズ候補として考えます。
個人的な結論としては、予算1万円のカスタマイズは「電源」か「ストレージ」という結論になりました。意外と地味な部分ですが、ゲーミングPCの「縁の下の力持ち」てきな部分ですので、お金をかけておいて損はありません。長く使えば使うほど、この2つは重要になってきますからね。