滅多にないことですが、パソコンから「パン!」と破裂音が聞こえることがあります。一瞬何がおこったかわからずに動揺していると、突然電源が落ちてしまうのです。
この緊急事態にどう対処すべきなのか、原因も含めて解説します。
パソコンから破裂音の原因は?
答えはずばり、「電解コンデンサの破裂」です。電解コンデンサとはマザーボードや電源上に配置されている精密部品で、小さな円柱状の突起です。
主に電流を安定化させるための部品で、電解コンデンサの質によってマザーボードや電源の質が変わるため、小さいながらも非常に重要な部品なのです。
電解コンデンサには、中身が液体のタイプと固体のタイプがありますが、固体コンデンサは一部のハイエンドモデルに使われているため、通常は液体コンデンサのほうが多いでしょう。
特に電源は、電源容量を高めやすい液体コンデンサが使われるのが一般的といえます。
この電解コンデンサは、熱による膨張から破裂や液漏れを起こし、故障の原因となります。
特に破裂してしまうような状況になると、マザーボードや電源そのものを交換しなくてはなりません。
破裂音が聞こえたらまず何をすべき?
まずはPCのケースを開き、マザーボード上に破裂しているコンデンサがないかを目視確認してください。
隅々までよく見ていくと、割れて液漏れを起こしていたり、破裂して紐のようになった電解コンデンサが見つかります。
仮にマザーボード上にこのような箇所が見つからない場合は、電源内部で破裂したと考えましょう。
ただし、電源を解体することは危険を伴いますから、電源をそのまま交換して様子を見る…という対応がベターです。
そのまま使い続けるとどうなる?
破裂した部位や周辺の損傷具合によりますが、低負荷状態ならばそのまま使えてしまうこともあります。
しかし、電解コンデンサは交流の電気を直流に変換し、電流を安定させるためのもの。高負荷状態で電気の量が増えると、途端にPC全体が不安定になります。
この状態が長く続くと、他の部位まで次々に故障してしまいますから、一度破裂音が聞こえたら無理せず修理に出しましょう。
最悪のケースでは、電源から発火して火災の原因になりかねません。
ハイエンドなゲーミング用マザーボードや電源では、めったに電解コンデンサの故障は起こりません。
しかし長年の負荷による劣化や、安いパーツで質の低いコンデンサを使用している場合には、破裂が起こる可能性があります。
ゲーミングPCには、固体コンデンサを採用したマザーボードと、保証期間の長い電源を使うべきなのは、こういった電解コンデンサの突然死に対応できるからなのです。