同世代のCPUの間には、当然モデルごとにクロックの差がありますよね。例えば、Core i5 7400と7500のクロックは異なります。
実はこれ、意図的に作り分けているわけではないのです。まるで生き物のようなCPUの製造についてご紹介します。
仕様が同じなのに性能が異なるのはなぜ?
CPUは全く同じ仕様の製品を同じ製造工程で作っても、性能にばらつきがでてしまいます。これは、わざと性能を変化させているのではなく、まるで生き物のように優秀な固体とそうでない固体ができてしまうのです。
また、高いクロック数で動作する固体は少なくなっていくため、これらは自然と上位モデルとしてリリースされるようになるのです。
「CPUの選び方」でも紹介したCore i5 7400と7500ならば、7500のほうがレアな固体だったということになりますね。数が少ない個体はいわゆる「レア」ですから、高い値段がつきます。
OC耐性も個体差に左右される
ベテランの自作PCファンの間では常識ですが、例え全く同じモデル・性能のCPUであっても、個体ごとにOC(オーバークロック耐性)は異なります。
特に出荷ロットによってこのOC耐性が変化することが多く、いわゆる「当たりロット」を引くと他の個体に比べてOCの伸びが良くなるのです。
PCという現代技術の結晶ともいうべき製品の中心的な存在「CPU」が、まるで生き物のように個体差があるのは、どこかギャップがあって面白いですよね。
ちなみに現在発売されているCPUであれば、Pentium Dual coreシリーズがおすすめですね。数千円で購入できる割にはOCの伸びが良く、何といってもHT化されてかなり使いやすくなっています。
CPUは今後マルチコア化が一層進んで、10コア以上が当たり前になる時代が来るでしょう。しかし、実際には2コアや4コア程度で十分な性能を持ちますし、1コア当たりの性能をOCによってあげてやれば、長い間現役として使用できます。
OCか買い替えかの判断基準
OCをすればCPUの性能を飛躍的に向上させることができ、延命措置になります。しかし、OCよりも新世代CPUへの換装のほうが安全に性能を向上させられるでしょう。
この2つの方法のどちらを選択するかは、ケースバイケースといえます。ただし、新ソケットへの切り替えが発生し、マザーボード毎買い替えが発生するタイミングであれば、一時的にOCなどで様子を見ることも重要です。
逆に、ソケットがそのまま流用できるCPUが発売されたなら、買い替えによって性能を底上げするほうがベターでしょう。