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万能なミドルレンジPCが結果的に割高になる理由

「何でもこなせるミドルレンジ機が最もコスパに優れている」。こう考えていた時期が私にもありました。間違いではないのですが、PCの役割をはっきりさせていけばいくほど、実は「中途半端なことが結果的に割高になる」という事実に直面するものです。

今回は、一見もっともコスパがよさそうなミドルレンジクラスのゲーミングPCに対する警鐘を鳴らしてみたいと思います。

初心者のうちはミドルレンジ機でOK!しかし…?

ゲーミングPCを始めて購入する初心者であれば、ミドルレンジクラスのゲーミングPCで何ら問題ありません。

そもそもPCをブラウジングや動画鑑賞、ゲームくらいにしか使わないのであれば、ミドルレンジクラスで十分すぎるでしょう。2018年時点でいえば、CPUにCore i5 8400、GPUにGTX1060あたりを採用したPCですね。

しかし、PCでさまざまな作業を行うようになると、このミドルレンジクラスが思わぬ足枷になります。その理由は「用途ごとに特化させることが難しい」からです。

アップグレードが難しい?ミドルレンジ機の特徴

BTOパソコンで売られているミドルレンジ機は、コストパフォーマンスを上げるためにCPUとGPU以外の部分を安くして組み上げていることがほとんどです。

つまり、特にマザーボードと電源ですね。この2つをできるだけ安い製品にすることで、全体的なコストパフォーマンスを向上させています。これ自体は何ら悪い事ではありません。安いからといって品質が悪いわけではありませんから。ただし、機能面では高性能モデルに見劣りするわけです。

例えば、マザーボードなら「メモリスロットが少ない」「チップセットが1世代前のもの」「VRMフェーズ数が少ない」などですね。その他にも「PCIeスロット(レーン数)が少ない」「M.2 SSDスロットがない」といったデメリットもあります。

また、電源は「+12V帯の容量が少ない」「電源容量自体が動作に必要な最低限しかない」といった点が見られるでしょう。これらは品質を保ちつつ、パーツの値段を安くするための対策です。必要最小限の機能に絞ることでコストを下げているわけですね。

ミドルレンジクラスのBTOパソコンにはこういった特徴が良く見られ「買った時点では良いけれど、拡張性が低い」事につながるのです。逆に拡張性を高くしたいなら「大きいけれど拡張性が高いおすすめのデスクトップゲーミングPC」を選ぶべきです。

用途別に複数のPCを持つメリット

一方、同じBTOパソコンでもハイエンドモデルでは、マザーボードや電源の機能に余裕があります。将来的にCPUやGPUをアップグレードするにしても、単純な交換だけで性能を上げられることがほとんどです。

つまり、数年単位でアップグレードまで考えると、PCを丸ごと買い替える必要がないため、結果的にお得になることも少なくありません。「メインPC(ゲーミングPC)は何年で更新・買い替えすべきか」でも書いたように長持ちするほうが結局コスパが良いんですよね。

また、ゲーム以外の作業ならAMDのAPU(Ryzen Gシリーズ)やCore i3シリーズを搭載した低価格PCで十分ですから、ハイエンド機とは別に1台購入しておくと非常に便利です。こちらも、一度買ったなら滅多に買い替える必要がありません。そもそも、性能に対する要求が低いですからね。

このように一見もっともコスパが良いように見えるミドルレンジ機をあえて避けることで、結果的にお金が節約できることも頭にいれておくべきでしょう。